2017/10/08

バリの食卓①

ブンブ・バリの材料 Bali, 2017

インドネシアの島々の中で、恐らく日本人に一番親しまれているであろう島、バリ。
バリのごはん、食べたことはありますか?

有名どころで言えば、バビ・グリン/Babi Guling。
丸焼きにした豚を取り分けて供される、バリの伝統料理のひとつです。

バビ・グリン Bali, 2017

このバビ・グリンにしてもそうですが、バリの伝統料理というのは、調べてみるほどに、
しみじみ、信仰に密着したものなのですね。
バリ島はヒンドゥー教が多数を占める島で、なのでここで基づく信仰というのもヒンドゥー。

お供え Bali, 2011

バリを訪れたことがあるひとは、
あちこちに置かれたお供え物を目にしたり、寺院を訪れたりしたことがあると思います。
人々の暮らしのあらゆる場面に信仰が関わっていて、生活と信仰は切り離して考えることが難しいのがバリ。
それは当然、食文化にも言えることで、バリの食文化と信仰というのも切り離して考えることは難しいのです。

が。

ここはあえて、切り離してしまいましょう。じゃないと、奥深すぎていつまでたっても記事が書けません。
より深く知って行くには、その信仰にまつわる部分というのは外せないのでしょうが、
今回はとりあえず、バリのひとたちの日常の家庭料理について。

ちなみに、その信仰と結びついたバリの食文化については、こちらの本に分かりやすく書かれています。
いくつかインドネシア語にミスがあったりはしますが、全体のイメージをとらえるには良書です。

野菜たっぷりの朝ご飯 Bali, 2017

ということで、バリのごはん。
食材は豊富です。インドネシアの中では少数派の豚OK地域でもあります。
そのかわり牛は食べられませんが、沿岸部では魚も豊富にあり、海藻なども食されます。
そして、野菜が豊富なのも、バリの特徴かもしれません。
火山性の豊かな土壌がもたらす恵みですね。

市場の野菜 Bali, 2017

今回は、そんなバリの食材を使った家庭料理を、友人の紹介で知り合ったお父さんに教えてもらいました。

バリの料理の特徴のひとつに、基本の調味料がほとんど同じものだということがあげられます。
煮炊きも汁物もブンブ・バリ/Bumbu Baliと呼ばれる合わせ調味料を使うものが多く、
なのでバリの料理の味わいは比較的似たものが多いのだと言います。

まずはそのブンブ・バリの作り方から。
材料のブンブそれぞれについては、まずこちらをご参考くださいね。

ブンブ・バリの材料 Bali, 2017

お父さんのブンブ・バリの比率です。
まず、ガランガルを1として、その1/2が生姜とバワン・メラ。
そしてその更に1/2(ガランガルの1/4)がバンウコンと、写真にはないですがニンニク。
そして、必要量のターメリックと唐辛子。

ターメリックは料理によって微調整するらしいのですが、ここではバンウコンと同じ量で。

スパイスたち Bali, 2017

材料の生臭みを消したりする効果もあるターメリック。
粉末のものもよく売られていますが、ブンブ・バリではフレッシュのものがいいそうです。

そして、トラシを一つまみ。

ブンブ・バリの材料 Bali, 2017

このトラシについては、お父さんこだわりがあります。
バリの東にあるロンボク島のトラシが最上、なのだそうです。
東ジャワなどにもトラシの産地はあるのですが「ロンボクのエビのが一番」と言い切ります。

味見をさせてもらったのですが、エビの旨味と発酵からくる奥行きのある風味が確かに美味しいトラシでした。

ロンボク産トラシ Bali, 2017

帰りに、わしっと切り取ってお土産として持たせてくれました、ロンボク産のトラシ。

そして、そこに更に加えるのがワンゲン/Wangenと呼ばれるスパイスミックス。

ワンゲン Bali, 2017

中身は、
コリアンダーシード、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、キャンドルナッツ、ナツメグ、
その他、ジャングと呼ばれるスパイスや、チャベ・プユンもしくはロングペッパーと呼ばれるスパイスなど。
ジャングやチャベ・プユンについては、正体が判明したらまたいずれ。

ブンブ・バリの材料 Bali, 2017

これらをなめらかにすり潰したら、ブンブ・バリの出来上がりです。
お父さんは水適量と一緒に、ブレンダーでガガガガガと仕上げていました。

ブンブ・バリ Bali, 2017

で、出来上がり。
このブンブを使って、色々な料理を作っていきます。

家庭料理ですので、材料や配合比率には家ごとに違いがあるんだと思います。
その一方で、市場などでは出来合いのブンブ・バリが売られていたりもしました。便利。

個装されて売られるブンブ・バリ Bali, 2017

ということで、次回はこのブンブを使ったお料理あれこれについて、ご紹介します。


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