焼き茄子のサンバル Kupang, East Nusa Tenggara, 2017 |
2017年、明けましておめでとうございます。
年末からしばらく、東ヌサトゥンガラ州へ旅行に行っていました。
首飾りのように連なるインドネシアの島々の中で、一番垂れ下がった辺り。
今回訪れたのは、その中でもロテ島とティモール島のクパンという街。インドネシア最南端のエリアです。
水色:ロテ島 赤:ティモール島クパン |
旅先で出会った美味しいものについて、また書いていきたいと思うのですが、
まずは、クパンで作ってもらった焼き茄子のサンバルからご紹介。
インドネシア各地の料理を見ても、野菜料理のバリエーションというのは、実はそれほど多くはありません。
一つの野菜に対して何通りもの調理方法が出て来る日本の家庭料理に比べて、
インドネシアでは基本的に、炒めかスープの具、もしくは生。
炒める際の調味料に若干の違いがある程度な印象です。
その中で茄子は、比較的いろんな使われ方をしている方かもしれません。
定番はバラドと呼ばれる唐辛子ソースを絡めて炒めたもの。
西ジャワ地方では緑の小茄子をそのまま食べたりもします。
ロデというココナッツミルクのスープに具材として使われたり、
バンダ諸島ではクナリナッツのソースをかけたものがあったり、
フローレスでトマトと一緒に酸味よりの味付けて炒めたものを食べたことがありますし、
焼き魚などの付け合わせとして、素揚げの茄子を出す地域もあります。
気候の面からも夏野菜の茄子には合う土地なのでしょうね。
そして、揚げが多用されるインドネシアの調理法に、油との相性がいい茄子はよく合うのかもしれません。
市場の茄子 Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
そんな茄子を使ったサンバル(唐辛子と野菜を潰し混ぜたインドネシア定番のタレ)も、
唐辛子と合わせて炒めた真っ赤なものもあるのですが、
今回のクパンのサンバルは油を使わず、じわじわと焼いた茄子を使います。
サンバルというより、日本人的にはおかずのような一品です。なんてったって、焼き茄子ですからね。
作ってくれた友人のTとAのレシピとして、材料とざっくりの分量も。
唐辛子 Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
緑の茄子/Terong Hijau:3本
唐辛子(チャベ・ラウィット)/Cabai Rawit Merah:適量(ここでは15粒ほど)
シャロット/Bawang Merah :適量(ここでは10個ほど)
キーライム/Jeruk Nipis:2個ほど
レモンバジル/Kemangi:適量
塩/Garam:適量
1.茄子を焼く
まずは、ここからです。
作ってくれた2人は、紫の茄子より緑の茄子の方が好きだとのこと。
若い方が美味しいよ、とA。
かまどの燠火にぽんぽんと置いて直に加熱していきます。
かまどの茄子 Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
食事の支度となれば、お米を炊くのに、まずはかまどに火を熾しますよね。
で、お米が炊けたら、お鍋は火から下ろされて蒸らしにはいるわけなのですが、
その残りの炭に、こうやって茄子を乗っけておくのだそうです。
お米が蒸らされてちょうどいい具合になる頃に、茄子も焼けて食べられるようになる。
かまどの茄子 Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
皮の色が変わって柔らかくなり、ぷすぷすと言い始めたら頃合いです。
2.唐辛子を潰す
ここからは、サンバル作りの必須アイテム「ウレカン/Ulekan」と「チョベッ/Cobek」の出番です。
インドネシアのご飯を作る際、あらゆるものを潰すのに必ず登場するこの道具。
チョベッは石の鉢、ウレカンはその対となるすり潰すための石のハンドルです。
唐辛子 Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
チョベッに唐辛子を置いて、ウレカンで擦るようにして潰していきます。
3.混ぜる
あとは、着々と混ぜていきます。
焼き茄子 Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
茄子の焦げた皮を除き、内側の瑞々しい果肉の部分をチョベッに移し、若干潰すようにしながら混ぜます。
Tは粗めの潰し具合が好みとのこと。
焼き茄子のサンバル Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
粗めに刻んだシャロットと、香りのいいレモンバジルを適量ちぎりながらくわえ、
焼き茄子のサンバル Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
キーライムの果汁を絞ります。
そのキーライムの皮も細かく刻んで加えてしまうのが、T好み。
味を見ながら塩をして、もうちょっと、とシャロットを追加して出来上がり。
焼き茄子のサンバル Kupang_East Nusa Tenggara, 2017 |
これ、美味しいです。
これだけで、白ご飯食べられるくらいに美味しいです。
とてもシンプルな材料で作られているのですが(東ヌサトゥンガラの料理は至ってシンプルです)、
焼き茄子のとろっとした食感も素晴らしく、スモーキーな風味を唐辛子がきりっと引き締めます。
刻んだライムの皮の爽やかな香りと、若干の苦みがとてもいいアクセント。
こうやって書きながら思い出して、もうまた食べたいくらいです。
お試しください。
0 件のコメント:
コメントを投稿