球根野菜 |
風味の素、美味しいの素。
インドネシアの球根野菜はバワン/Bawangと呼ばれますが、
バワンなくしてインドネシアごはんは成り立たないのではないかというくらい、必須のもの。
育った葉の方(つまり青ネギ)も、ダウン・バワン/Daun Bawang、つまり葉のバワンと呼ばれるのですが、
今回は、球根の方をまとめてご紹介します。
まず基本中の基本。バワン・メラ/Bawang Merahとバワン・プティ/Bawang Putih。
バワン・メラは小さな赤タマネギ。シャロットと呼ばれるものですね。
中央アジア原産の、世界最古の栽培植物の一つだと言われるこのバワン・メラ。
生のままだと辛味爽やか、そして炒めたら素晴らしく香りよいこの野菜は、あらゆる料理に使われています。
結婚式などの料理を自分たちでした翌日、
わが家に通ってくれているメイドさんは、バワン・メラを何キロ剥いたか、笑いながら話して聞かせてくれます。
そのくらい沢山の料理を作ったんだよ、ということなのでしょう。
元々インドネシアではバワン・メラだけが使われていて、
後から華人によってバワン・プティ、つまりニンニクが持ち込まれたのだと言われています。
旨味と芳醇な香りのバワン・プティですが、インドネシア一般で香りが強すぎるのは好まれないらしく、
基本の配合としては、バワン・メラが3に対して、バワン・プティが1くらい。
球根野菜 |
タマネギはバワン・ボンバイ/Bawang Bombayと呼ばれ、使われもしますが、
バワン・メラの方が香りも味わいも強いため、
置き換える場合には、バワン・メラ1に対して、タマネギは2くらいが目安だそうです。
さて、バワン・プティですが、
一般的なのは、日本でもみかけるような房になったもので、多くは中国などからの輸入なのですが、
地元で採れるものに、房になっていないバワン・プティ・トゥンガル/Bawang Putih Tunggalがあります。
あります、と言っても、あまり見かけることもないのですが。
バワン・プティ・トゥンガル |
インドネシアでも限られた地域でしか栽培されていないらしいバワン・プティ・トゥンガル。
英語ではソロ・ガーリックと言われ、中国やインドの一部地域で食されているようです。
香り風味ともに、通常のニンニクより強く豊かなのですが、
インドネシアでは調理に使うというよりは、健康効果を期待して薬的に摂っているようです。
高血圧に効くとか、他にも色々効果があるのだそうですよ。
それから、最後に、薬効のあるバワンつながりでもうひとつ。
バワン・メラ・フタン/Bawang Merah Hutan、もしくはバワン・メラ・ダヤック/Bawang Merah Dayak。
森のバワン・メラ、ダヤックのバワン・メラと呼ばれる濃い赤色をした球根野菜。
見た目はバワン・メラに似てはいますが、味は全く異なり、バワンの風味もありません。
バワン・メラ・フタン |
和名はもとより英名も分からず、学術的にはEleutherine palmifoliaと言う、ということしか分からないのですが、
これまた幾多の薬効が言われていて、抗がん作用があるとか、糖尿に効くとか、その真偽は分かりませんが、
いずれにしても、これも調理されるのではなく、煎じたり粉末にしたりして薬のように摂るようです。
齧ってみたら、ちょっと苦い味がしました。
ということで、ざざっと、インドネシアの球根野菜のご紹介でした。
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