2016/11/21

インドネシアごはん

パダン料理  Padang_West Sumatra, 2016

こんにちは。

インドネシアのごはんはお好きですか?

インドネシア料理と聞いて、何を思い浮かべますか?
「ナシゴレン」「ミーゴレン」
ですよね、ですよね。他には?なにか思い浮かびますか?

当然のことながら、インドネシア料理はナシゴレンとミーゴレンだけではありません。
だけど、それ以外の料理はあまり知られていないのも、残念ですが、事実。

赤米とおかず  Flores_East Nusa Tenggara, 2016

インドネシア料理と言えば、Hot & Spicy。そう、そんなイメージですね。
けれども実は、辛いインドネシア料理もあれば、辛くないインドネシア料理も、
スパイスたっぷりのインドネシア料理もあれば、ほとんどスパイスを使わないインドネシア料理もあります。

ナシ・カパウ  Bukittinggi_West Sumatra, 2016

南北1800キロ、東西5000キロに渡る多島国家。
国土面積としては世界15位(日本は62位)、2億5千万を超す人口は世界4位(日本は10位)。
13000以上と言われる島々に、300以上と言われる民族が暮らす国。
それがインドネシア。

結婚式の準備 Wakatobi_Sulawesi, 2015

この広い国土に散らばるそれぞれの民族がそれぞれの文化を持ち、当然その中には料理も含まれます。

沿岸部と山間部の収穫物の違い、肥沃な火山地帯と痩せた石灰質の土地で育つ作物の違い、
影響を及ぼしたマレー/インド/オランダ/中国の文化の違い、そして宗教の違い。
環境や背景が変われば、自ずと食材や調理方法も変わり、料理のスタイルも変わってきます。

例えば、ココナッツミルクとスパイスを多用する西スマトラの料理。
もしくは、椰子砂糖を用いて全体的に甘めの中部ジャワの料理、
あるいは、海のものも山のものも使いこなし唐辛子の燃えるような辛さが特徴の北スラウェシの料理。
「インドネシア料理というものはなく、各地の郷土料理があるだけ」とは、よく言われますが、
実際、この広大で多民族の国においてひとくくりにできるものなんて、料理を含め、多くはないのです。

バタック料理 Toba Lake_North Sumatra, 2014

一方で、そうは言っても、というか、矛盾するような話しではあるのですが、
この近代化の波にあって、ましてやインドネシアのような新興国特有の急速な変化の流れにあって、
土地ごとの個性というものが、なんだかだんだん見えにくくなってきている感は否めません。

時間をみつけて、インドネシア各地を旅行して回ることをライフワーク(?)としていますが、
特にある程度の規模の都市となると、街の表情はどこも似たような印象。
じっくり腰を据えて滞在したり、より深く入り込んでいけば土地ごとの個性も見えるでしょうが、
ふらっと来て去っていく束の間の旅行者では、残念ながら入り込むにも限界があります。

そんな中、変わらずその土地らしさを示してくれるものと言えば、食事だったりします。
あの街に行ったらあれを食べよう、この街に来てこれを食べないなんてあり得ない。
そんな思惑が、旅の道々、心をかすめます。いえ、かすめる以上の期待があります。

屋台 Banjarmasin_South Kalimantan, 2016


料理における変化というのは、他の事柄に比べずっと穏やかなのかもしれません。
どんなにライフスタイルが均一化されていっても、ファストフードやチェーンレストランが増えていっても、
舌というのはある意味保守的で、慣れ親しんだ「あの味」を恋しがるひとは多いものです。
各地に伝わる伝統料理、特に家庭料理というのは、この前へ前へと進み変化を求める時代にあって、
人々が変わらないことを求める、数少ないもののうちの一つなのではないかと思うのです。

市場の魚売り Sangihe_North Sulawesi. 2015

そうなのであれば。

各地を旅して回る、その目的の一つとして。この国により親しむための、入り口として。
食材や道具、そして作り方も含めたインドネシアのごはんを、
ただ「美味しい!」と食べて喜んでいた今までよりも、もう少しだけ深く知っていけたら。
そして、その色々を、ここに記録していけたらいいな、と思ったのです。

伝統家屋の台所(薪による調理) Flores_NTT, 2016

ということで、少しずつ勉強しながら、教わりながら、その報告をするように更新していくつもりです。
色んなことが(時に野菜の名称ですら)あやふやな国なので、出来るだけ丁寧に調べるようにはしますが、
勘違い、間違い、あればどうぞご指摘ください。

広く広がるインドネシアの島々を、この国のひとたちは親しみをこめて「ヌサンタラ」と呼びます。

個性溢れるヌサンタラのキッチンへ、ようこそ。


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