2018/05/21

メダンの食卓③

ビーフン・ベベッ Medan_North Sumatra, 2018

ということで、メダンにおけるチャイニーズフードを。
まあこれは「美味しかったー」と言いたいだけのポストだと思っていただいていいです。
いやー、美味しかった、ほんと。

以前の記事でも触れましたが、メダンはスマトラ島最大の華人人口を抱える街。
福建語を話せない華人は、メダンで商売できないと言われるくらいの土地柄だったりします。

華人度の高さは当然食文化にも大きく反映され、その充実っぷりはインドネシア国内でも群を抜いて。

屋台街 Medan_North Sumatra, 2018

まず、手始めに食べておきたいのは、ミー・ホッキエン/Mie Hokkien。福建麺ですね。

ミー・ホッキエン Medan_North Sumatra, 2018

煮豚や練り物、味付け卵などの具が乗った汁別麺で、
麺のどんぶりの底の方にタレが入っているのですが、エビの風味が生きた旨味系。

ミー・ホッキエン Medan_North Sumatra, 2018

メダンの対岸、マレーシアのペナン辺りで有名なのホッキエン・ミー/Hokkien Mee が、
赤だったり黒だったり、なかなかに濃厚そうな色使いなのに対し、こちらは控えめな印象ではありますが、
ペナンのホッキエン・ミーをプラウン・ヌードル/Prawn Noodleと言われたりしているので、
このエビの風味というのが、福建麺の特徴、ということになるのかもしれませんね。

続いて、わたしのメダンでのお気に入り麺は、こちら。

バクミー・ケッ Medan_North Sumatra, 2015

バクミー・ケッ/Bakmi Khek。客家麺です。

煮豚の他、ラードをとった後にできるカリカリの脂身が乗ったこれまた汁別麺。
シンプルながら、しみじみ「うまあー」となる麺です。

これらの麺、いずれも豚使いが特徴で、スープの出汁も当然ながら豚。
華人+キリスト教徒が多いバタック人、という構成から、メダンは豚を出す店を見つけやすい街なのですが、
ムスリムが多いために豚の店の選択肢が限られるジャワ(一部地域を除く)から行くと、
とりあえず、美味しい豚料理を、と思ってしまうのです。

ということで、次に豚を使ったクウェティアウを。

クウェティアウ・ゴレン Medan_North Sumatra, 2018

(色悪い、ごめんなさい)

クウェティアウ/Kwetiauは平たい米麺。そのクウェティアウを炒めたものです。
中国語だと河粉と書くみたいですね。発祥は広州とのこと。
ただ、クウェティアウという音自体は潮州由来らしく、粿條表記するようです。
元々は潮州系華人が各地に広めたものなわけですが、現在はそのルーツに限定されず、
東南アジア各地で広く好まれている麺で、
その発音もクイティアオ(タイ)やクイティウ(カンボジア)のように似たような音。

で、こちらのクウェティアウは豚ベースで、エビを加えて、ニンニク効かせて炒めたもの。
言うまでもなく、美味しい。
このニンニクをがっつり効かせるというのが、インドネシアの土着料理にはまずないんですよね。
あと、エビの風味の活用というのもいかにも中国から、という感じ。

で、このクウェティアウ、豚なだけでなく更に!なのが、こちら。

クウェティアウ・クラン Medan_North Sumatra, 2018

クウェティアウ・クラン/Kwetiau Kerang。クランは貝。ぷりぷりの二枚貝入りの炒めクウェティアウです。
ああもう、思い出しうっとり。

貝、エビ、練り物、カリカリ油脂、ラプチョン、そして野菜とたっぷりのニンニク。ああ、うっとり。

クウェティアウ・クラン Medan_North Sumatra, 2018

米粉麺のクウェティアウですが、一方、同じ米粉でかつ福建が発祥と言われているのがビーフン。

で、冒頭の写真です。
ビーフン・ベベッ/Bihun Bebek。ベベッはアヒルです。

ビーフン・ベベッ Medan_North Sumatra, 2018

食べ応えのあるしっかりしたアヒル肉と青菜に、これでもかとかけられた揚げニンニク。
下のビーフンとしっかり混ぜながら、いただきます。

ビーフン・ベベッ Medan_North Sumatra, 2018

こんなにたっぷりのニンニクですが、追いニンニクのどんぶりがついてくるのが笑えます。

ビーフン・ベベッ(揚げニンニク) Medan_North Sumatra, 2018

インドネシアのニンニクは、日本などで食べられているものよりニオイが弱いのですが、
それでもさすがにこれは…と一瞬頭をかすめはしたものの、やっぱり美味しいんですよねこの風味。

ビーフン・ベベッ(スープ) Medan_North Sumatra, 2018

白濁系の濃厚スープにはレバーや砂肝。沁みるんです、このスープがまた。

米粉といえば、屋台街で見かけた腸粉/Cheong Fun。
こういう米粉系(ベロベロ系と呼んでいる)が好きな友人が一緒だったので、試してみました。

腸粉 Medan_North Sumatra, 2018

ここには揚げニンニクではなく、揚げシャロット。
見え難いですが、向こう側にフレッシュなグリーンチリを使ったサンバルがついているのが、インドネシア風。

腸粉 Medan_North Sumatra, 2018

ベロベロ系というより、ピラピラ系、といった風情で、見た目は湯葉のようとも言える感じ。

屋台の品揃え Medan_North Sumatra, 2018

こういう並び、わくわくしますよね。

この辺りまでは、変化しつつ中国本土を発祥としている料理なのですが、
次は、マレー半島の華人(プラナカン)ルーツのものをひとつ。

ラクサ/Laksa。

ラクサ・メダン Medan_North Sumatra, 2018

一般的に「ラクサ」と言ってイメージされるのは、
シンガポールなどで見られる、魚介類+ココナッツミルクベースのカレー風味のものでしょうが、
メダンのラクサはココナッツミルクは使用していません。

ちょっと調べたら、ひと口に「ラクサ」と言っても、いろんなバリエーションがあるんですね。
メダンのこれは、魚をベースにした酸味のラクサ。麺もつるんと柔らかい、うどんのような麺です。
同じ酸味ラクサである、対岸ペナンのアサム・ラクサ/Asam Laksaと近いようですが、
酸味のもとが、ペナンのはタマリンドなのに対し、メダンはアサム・ゲルグル/Asam Gelugurなのだそう。
魚の出汁特有の重さを、酸味で中和する感じですね。ココナッツミルクを使わない分、お腹にも軽い。
驚いたのは、ハーブにミントを使っているところ。
インドネシアで食事にミントを使っているの、初めて見ました、わたし。

で、最後に。

この、食のメルティングポット、メダンならではなのではないかと、感動したのがこちら。

カリー・ビーフン Medan_North Sumatra, 2018

カリー・ビーフン/Kari Bihun。これは牛肉バージョン。

濃厚な牛スープをスパイスのきいたカレースープに仕立てて、そこにビーフン。
西方インドから影響を受けたカレーと、中国ルーツのビーフンのマッチング。
更に、ジャガイモをオランダからの影響と捉えたら、なんともまあ、メダンらしい一皿じゃないですか。

カリー・ビーフン Medan_North Sumatra, 2018

久しぶりに、食べ終わってしまうのが残念で仕方なかった一皿でもあります。
なんで近所にないんだろう。

ということで、ざっとメダンのチャイニーズフード。
掘り出せばもっともっと、バリエーションはあるはずなのです。
本当に、食い倒れ旅にはもってこいの街です、メダン。

カリー・ビーフン Medan_North Sumatra, 2018

未練がましく、カリー・ビーフンをもう一枚。
ああ、なんで近所にないんだろう…涙。


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