2017/09/11

アニャン/Anyang

アニャン Bandung_West Java, 2017

「かおるさんのレシピ」コーナー第二弾です!(第一弾は→

かおるさんがお義母さまに教わったというムラユ料理から、今回はアニャン/Anyang。
炒って味を付けたココナッツと茹で野菜を和えたものです。
ジャワでウラップ/Urap、バリでウラッブ/Urabと呼ばれているものに似ていますが、
ムラユのこちらは砂糖を使わず、
ココナッツの旨味と、ハーブ&スパイスの風味、そしてライムの香りがぐっとくるのです。

実は、教えてもらったのはもうずうっと前。今年の頭くらいでした。
早々に試して、すっかり気に入ってリピートしています。

アニャン材料 Bandung_West Java, 2017

ということで、材料から。

【アニャン】
削ったココナッツ 半玉分(200gほど)
コリアンダーシード 大さじ1
バワン・メラ 8個
レモングラス(内側の柔らかい部分) 刻んで大さじ1/2
ガランガル 2cm
唐辛子 好みで適量
ライム果汁 適量
塩 適量

茹で野菜 適量

干しえび Bandung_West Java, 2017

このアニャンのポイントは、かおるさん曰く、コリアンダー(干しえびの写真出しておいてなんですが)。
粉末ではなく、粒のままのコリアンダーシードを使うのが肝要です。

ココナッツと一緒に空炒りをしている間に、何とも言えないいい香りが立ってくるのですが、
その香りのためにアニャンを作ると言っても過言ではない、とまでかおるさんは言います。
そしてそれは、事実なのです。ずっと炒っていたくなるような、うっとりするほどのいい香り。
ただし、粒なのでその後しっかりすり潰さないと食感が悪くなります。
かといって、粉末を使ってしまうと、最初だけ強く香ってすぐ消えてしまうのだそう。
なので、ぜひここは、粒のコリアンダーシードをご用意ください。

使う野菜は、葉野菜を中心にありものでいいと思うのですが、お気に入りはパキス/Pakis。

パキス Bandung_West Java, 2017

ゼンマイですね。青々とした風味が好きです。
バンドンの市場でも常にある訳ではないのですが、見かけると嬉しくなって買ってしまいます。

あとは、ジュウロクササゲや、シカク豆も。シカク豆はパキパキとした食感がいいですね。

ジュウロクササゲとシカク豆 Bandung_West Java, 2017

空芯菜やクレソンなどでも美味しいですし、ニンジンを加えても彩りがきれいですね。
味のバランスをとるのに、もやしもよく使います。

では、手順です。

1.野菜を茹でる
まずは野菜たちを茹でておきましょう。
筋のあるものは筋を除き、湯がいてから水気を切り、食べやすい大きさに切って、冷ましておきます。
程よい歯ごたえを残した茹で上がりが好みです。

2.炒る
ココナッツとコリアンダーシードを空炒りします。ココナッツ自体に油分が含まれているので炒め油は不要。
焦げ付かないようにかき混ぜながら、じっくり、全体がきつね色になるまで炒っていきましょう。
ここが、幸せどころです。キッチン中がなんともいい香りに包まれるのです。

ココナッツ炒りあがり Bandung_West Java, 2017

全体的にサラッと乾いた状態できつね色になります。

とりあえず、すーはーと香りをかいで、後はバッドに広げてあら熱をとっておきます。

3.ブンブを合わせる
干しえび、バワン・メラ、ガランガル、レモングラス、唐辛子を潰してペーストにします。
フードプロセッサーでいいでしょう。
そして、それを別鍋でさっと火を通しておきます。

このあと、このブンブ、先のココナッツ共に十分にあら熱をとっておきます。
かおるさんによると、ここであら熱をとっておかないと、
後で合わせた際に、ココナッツの乾いた感じがなくなってしまうのだそうです。

4.混ぜ合わせる
2.3.ともにあら熱が取れたら、チョベッなどで混ぜつつすり潰していきます。
深い方がやりやすいので、わが家ではルンパンで。

すり潰し作業 Bandung_West Java, 2017

コリアンダーの粒を潰しつつ、全体を擦るようにして混ぜて行くことでコクがでます。
混ぜながらここで、ライムの果汁と塩で味を整えます。

わたしは、爽やかな後味が気に入っているので、ライムは割としっかり効かせるようにしています。
塩加減も、食べる時に茹で野菜と混ぜることを考えて。
ここで控えめにしすぎててしまうと、仕上がりがぼんやりしてしまいます。

混ぜ終わったら、セルンデン/Serundengの出来上がりです。

プロセス Bandung_West Java, 2017

上から、炒り上がり、ブンブ、セルンデン。

セルンデンはアニャンに限らず、
鶏を揚げたアヤム・ゴレン/Ayam Gorengや、ごはんのふりかけのようによく使われる常備菜的な存在です。
冷凍保存もできるとのこと。便利ですね。

5.いざ。
茹でて冷ましておいた野菜にセルンデンを適量混ぜ、召し上がれ。

アニャン Bandung_West Java, 2017

美味しいんですよ、本当に。これ。
書きながら思い出して、また作りたくなってきました。
ココナッツのコク、ブンブの旨味、それに爽やかなライムの酸味、パキっとした食感の野菜たち。
この組み合わせ、美味しいに決まってるじゃないですか。

ココナッツ炒りあがり Bandung_West Java, 2017

コリアンダーとココナッツを乾炒りしているときから、出来上がって食べ終わるまで、
キッチンがずっと幸せな香りで満ちる一皿です。

かおるさん、美味しいレシピをありがとうございました♪


2 件のコメント:

  1. おいしそうです。でも分からなかったのが「ガランガル」。インドネシアの香辛料ですか?

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    1. どうもありがとうございます。
      ガランガルは、ショウガに似たスパイスで、ナンキョウと呼ばれたりもします。
      インドネシアだと、スマトラ〜バリあたりで特に良く使われているようです。
      http://nusantarakitchen.blogspot.co.id/2017/03/bumbu.html

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