2026/06/14

モロの食卓

お昼ごはん Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

バリに行く前に、ティモール島に行っていました。
以前に訪れたボティ村と同じ中南部ティモールで、北モロ郡のある村のコミュニティにお邪魔したのでした。
ラコアッ・クジャワス/Lakoat.Kujawasという地域に根差したコミュニティ。
図書室や文章を書くワークショップ、地域問題をディスカッションをするワークショップなどを開催していて、
今回はそのコミュニティで、食のワークショップに参加しました。
地産のものを日々の食卓に供することを主旨とし、
「トラディショナル」というよりは「ローカル」に注目した料理体験がとても楽しくて充実したものでした。

背景としてあるのが、以前こちらの記事の、特に後半で書いていたようなことなのですが、
貧困地域とみなされたことで、国からの支援を受け、
その支援が「米」という、その土地では育たない、もしくは十分な量を収穫できない穀物の形であること、
その米が基準となることで、そもそもその土地で食されていた食材が蔑ろにされ、
外部から、時に支援という名目で持ち込まれた、自給できない米を主食としてしまい、
結果、食の主権を失う。
という、現代の食糧事情の問題です。

唐辛子 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

到着した時に、このコミュニティ内を案内してくれた14歳の少女が、
土着の食材を食べていると、その子供は田舎臭いとか貧しいとかという偏見を持たれ、時にいじめられ、
子供に米を食べさせないと、その親も子供を大事にしていないという目で見られたりする。
そのイメージは、米を基準にしたから生まれたもの。
そして米を基準にするから、この土地は貧しく見える。
地元の食材を通して、自分たちの土地がどれほど豊かかを伝え、
決して貧しくなどないのだと、地域の人々の中にある偏見を払拭して行きたい。
と、話してくれました。
(びっくりするほどしっかりと、自分の意見を語れる子だったのです。素晴らしいでしょ)

というわけで、ワークショップは、朝の市場での買い物から。
週に一度の賑やかな市が立つ日です。

市場の風景 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

きゅうり Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

これきゅうりなんです。手前の大きいの。
右奥にあるパパイヤとあまり変わらない大きさで、でも「このあたりのきゅうりはこういうもん」だそう。
ちなみに、ペットボトルに詰められているのはココナッツオイル。気温が低いので白く固まっています。

レモン Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

この表面がぼこぼこしているのは、ジュルック・アサム/Jeruk Asam、つまり「酸っぱいみかん」。
このあたりでよく採れる柑橘類らしく、ちょうどたくさん出回っていました。
ちなみに、実際の果汁はそこまでの酸っぱさではありませんでした。爽やかな感じ。

シパの葉 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

この葉っぱは、ティモールのパセリと言われていたシパ/Sipa。
インドネシアの他の地域では見たことがありません。
青々としたいい香りの葉っぱで、できれば庭に植えておきたいくらい。

シカクマメ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

シカクマメ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

そしてこれは、シカクマメ。
ずんぐりと短い、緑一色のシカクマメはバンドンのうちの庭でも採れますが、この長い品種は初見です。

食材 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

ということで、市場で買ってきたもの、それから庭で採れたものなどを揃えて調理開始。

バナナの花 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

バナナの花のフライ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

バナナの花のフライ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

まずはバナナの花のフライ。
以前マナドでも作りましたが、若干レシピが違います。
バナナの花をザクザク刻んで、塩でのあくぬきはなく、そのまま調味料を混ぜていきます。
使ったのは、ニンニク、塩、胡椒、卵、タピオカの粉。
澱粉であるタピオカ粉を使うので、サリっとした、竜田揚げの衣のような仕上がりです。

そうそう、ニンニクも、やはり地元産のものを使っています。

ニンニク Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

インドネシアで出回っているニンニクは、ほとんど中国からの輸入品です。
この写真だと、右側が中国産。そして、左の小粒のニンニクがティモールのローカルニンニク。
小さいけど、味がいいのよ、とママは言います。

ニンニクを剥く Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

ただし、皮を剥く作業は大変。ちまちまちまちま。

バナナの花のフライだけでなく、タロ芋も賽の目に切ってカリッと上げておきます。

タロ芋 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

これは、サンバル和えにするのです。

サンバル・マタ(材料) Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

用意するのは、サンバル・マタ/Sambal Matah。
バリのサンバルと言われていますが、今では全国で愛される爽やかで香りの良いサンバルです。
たっぷりのレモングラス、刻んだトウガラシ、シャロットに、レモンの葉っぱを千切りに。
西インドネシアでは、コブミカンの葉が定番ですが、それ以外の柑橘系の葉もいい香りがするんですよね。
香りのいいレモン果汁を絞って(皮も薄切りにして入れてしまいます)塩を振って味をしたら、
通常のサンバル・マタは熱した油をジュっと注ぐのですが、村のママは炒めてしまいます。
ただし、ごくごくさっと。
しっかり火を通すことが目的ではなくて、全体が混ざりやすくなればOK。
そして、揚げておいたタロ芋を混ぜ合わせたら、できあがり。

タロ芋のサンバル・マタあえ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

タロ芋の一部を紫芋にしても、彩りがきれいよ、とのこと。それは素敵。

シパの葉は、トマトとトウガラシとレモン果汁とであえて、香り爽やかなフレッシュサンバルに。

シパのサンバル Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

シパのサンバル Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

シカクマメは小口に切ってさっと湯掻いて、同じく湯掻いたかぼちゃの芽と花、フレッシュなクレソンと合わせ、
そこに胡麻と、名前を失念してしまったのだけど、ささげの仲間のような豆を炒ったものを乗せてサラダに。
ドレッシングは、ドライチリパウダー、オイル、塩、砂糖、レモンのシンプルなもの。

サラダ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

サラダ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

クレソン、それからかぼちゃの芽と花はママの家の庭から。

そして、発酵タケノコの炒め物も。

タケノコは、わたしが暮らすバンドンの山側でも時折市場に並ぶことはありますが、
いつでも気軽に食べられる食材ではないだけに、ここで出会えたことがとても嬉しかったです。
モロのあたりは、1〜2月がタケノコの季節なのだとか。その時に、発酵させてあったものを炒めます。

発酵タケノコ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

発酵タケノコ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

発酵タケノコの炒め Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

発酵させていたものをしばらく水に晒し、酸味を抜いてから、ニンニクとトウガラシでシンプルに炒めました。
(個人的には、酸味も残してくれていいのに、と思ったけど、笑)

他、かぼちゃの炒め物、鶏肉とタロ芋の炒め物、なども。

炭水化物枠には、ティモールのトウモロコシ粥、ジャグン・ボセ。大好き。

ジャグン・ボセ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

大きなきゅうりは、若いパパイヤ、ヒカマ、グアバ、人参と一緒に薄切りにして、
砂糖、塩、パッションフルーツの果汁を使った漬け液でしばらく漬けて、ピクルスになりました。
爽やかでシャキシャキの歯ごたえが楽しい、おかずの合間の口直しに。

ピクルス Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

そして、デザートにはトウモロコシで作ったプディングも。

プディング Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

使うトウモロコシは、ジャグン・プルッ/Jagung Pulutと呼ばれる、むっちりとした食感の品種。
スティッキーコーンとも言われます。
スターチが多いので、加熱することでとろみが出る。その特性を利用したものです。

生のうちにトウモロコシをブレンダーにかけて裏漉しし、パンダンリーフで香り付け、砂糖を加えて加熱。
火にかけてるうちにもったりとしてくるので、それを器に移して冷やし固めるのだそうです。
まず、トウモロコシを育てて、それから作ってみたいです。

プディングの上に乗っているのは、ビワのアイス。
このワークショップを行っている団体の名称であるラコアッ・クジャワスのラコアッは枇杷のことなんです。
クジャワスはグアバのことで、モロではこの二つの木はどこにでも生えていて、
(枇杷に関しては、インドネシアの他の地域では一般的な樹木ではないので、不思議なことなのですが)
なので、たとえば通りすがりの子供たちなどがその果物を勝手に採って食べても、文句は言われない。
その、オープンで親しみやすい二つの果物ををコミュニティの名称にしたのだそうです。
という、象徴である果物のアイスです。

そうそう、この時のメニューではなくて、朝食に茹でたタロ芋と一緒に出してもらったものだったのですが、
タケノコ入りの発酵サンバルもありました。

サンバル・ルアッ Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

ティモールでサンバル・ルアッ/Sambal Lu'atと呼ばれるもの。

ニンニク、トウガラシ、トマト、ライム、塩のサンバルに千切りにしたタケノコをあわせ、発酵させたもの。
ライムは果汁だけでなく皮も刻んで入れておくのがポイント。いい苦味がでます。
トウガラシの辛味にライムやトマトの酸味はもちろん、そこに発酵系の酸味と旨味が加わり、素晴らしいおいしさ。
この時のは、今年の2月に作ったものでしたが、時間をおくほどに味は変化していくのだそうです。
タケノコが必須なわけではなく、香りのものを合わせても美味しくできるのだとか。
トーチジーンジャーやルンクアスの花でもいいし、ミントやレモンライム、シパの葉でも。

発酵ビン Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

塩加減はどのくらい?と聞いたところ、
少ないと発酵に失敗するしねえ、多すぎたらしょっぱいしねえ、だいたいの加減だねえ、との返事。
さすが、家庭料理。ママの匙加減は数値化できません。
バンドンの我が家に帰宅して、とりあえず庭のトーチジンジャーの花を入れて作ってみました。
美味しいのができたらいいな。

モロのキッチン Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

モロのワークショップで習った料理は、最初に書いたように、
伝統的な地方料理というより、地場の食材を使い各家庭でママたちが普段作っている料理なのですが、
ローカルな食材を食べるということは、旬を食べるということなんですよね。
都会のスーパーや市場で目にする、ブロッコリーやじゃがいもなどは、モロの市場では見かけませんでした。
それは、この土地では育たないからかもしれないし、旬じゃないからかもしれない。
季節に関係なく通年ハウス栽培されている野菜ではなく、その土地で「今、出回っている食材」をいただく。
旬じゃないなら、出会えない。
もしくは、旬なうちにたくさん保存食を作っておく。
この感覚、忘れていたなあと思いました。

モロの食卓 Mollo_East Nusa Tenggara, 2026

タケノコの旬に、また訪れて、発酵タケノコの仕込みワークショップに参加したいです。



2026/06/04

バリのココナッツオイル

ココナッツ Bali_2026

先日行ったバリで、ココナッツオイルの作り方を習ってきました。

ココナッツオイルの作り方には3通りあります。
工業生産的に作る場合は、ココナッツの白い果肉を日干ししたコプラと呼ばれるものを圧搾します。
ホームメイドで最近人気なのは、ココナッツミルクを室温発酵で分離させて濾過したコールドプレス式のもの。
そして、最後は、ココナッツミルクを煮詰めて作る、伝統的な加熱式のもの。
今回は、この加熱式のものを習いました。
手順としては複雑なものではなく、読み聞きして知ってはいたのですが、実際にやったことがなかったのです。

使うのは、冒頭の写真くらいのココナッツ。
収穫した青いココナッツを、6〜10ヶ月ほど寝かせ、しっかり熟させたものです。
熟すほどに、中の白い果肉がしっかり厚みを増していくんですよね。

ところで、バリには2種類のココナッツがあります。
通常、飲み物として出される大きくて青いココナッツと、小ぶりの黄色〜オレンジ色のココナッツ。

オレンジのココナッツ Bali_2026

オレンジのココナッツはバリの儀礼で使う用で、飲用・食用もできますがサイズが小さい。
大ぶりの緑のココナッツをしっかり熟成させたものがオイルを取るのには向きます。

すっかり乾燥した分厚い外皮をナタではがし、中の胚珠を取り出します。

ココナッツを割る Bali_2026

ナタでコンコンと周を叩いていくと、あるタイミングでパカっと割れます。

ココナッツ Bali_2026

この時、中にある水分はタライで受けておきます。
しっかり厚みのあるいい果肉。

これをさらに小さく割ってから、外側のカラから身を外し、擦りおろしていきます。

ココナッツを擦る Bali_2026

自分でやる場合、ここまでの作業は、市場のココナッツ屋さんでやってもらえます。

指を擦らないように気をつけて(小さくなったかけらは危ないので食べてしまいましょう)、
擦り終わったら、とっておいたココナッツの水分(濾しておきます)に適量水を足したものに加え、
じっくり揉んで油を含んだココナッツミルクを作ります。

ココナッツミルクをとる Bali_2026

十分に揉み出したら、布で漉してぎゅうっと絞ります。

そのココナッツミルクに、ターメリックを2、3かけらほど入れるのが、このお家のママ直伝のコツ。
ターメリックが入ることで、油分が分離しやすくなるのだそうです。

ターメリック Bali_2026

ココナッツミルクにターメリックを入れたら、かまどの火にかけます。
先ほど剥がした乾燥した外皮は、この時の燃料になります。

ココナッツミルクを煮立てる Bali_2026

通常、ココナッツミルクを使って料理をする際によく言われるのは、
「弱火でじっくりかき混ぜながら。じゃないと分離しちゃうから」
なのですが、今回は分離させたいので、強火でどんどん煮立てていいのだそうです。

搾りかす Bali_2026

ちなみに、ココナッツミルクの搾りかすは、鶏たちが喜んで食べます。ヒナがたくさんでかわいい。

分離した油分 Bali_2026

少し煮立てたらこのように油分が分離します。そこで一旦、火から下ろします。
その上で、ココナッツオイルの表面に浮いた油分をおたまで掬い集めて、別の鍋に移して行きます。

油分を分ける Bali_2026

油分を掬ったおたまを鍋の上で少し傾けて、ふうふうと吹くのです。
そうすると、表面の油分が下の鍋の中に流れ落ちていきます。
これはね、ちょっと楽しい。

こうすることで、煮詰める時間を短縮することができるわけですね。

ココナッツの油分 Bali_2026

で、ここから再び煮詰めていきます。
水分をほとんど除いた状態で煮詰めるので、焦げないように、鍋肌をこまめに撫でながら。

煮詰める Bali_2026

そしてすっかり分離したならば、出来上がり。
残ったカスの部分を漉すのを忘れずに。

ココナッツオイルのカス Bali_2026

このカスは、西ジャワ地域だとガレンド/Galendoと呼ばれます。
地域によってはタイ・ミニャッ/Tahi Minyakやタイララ/Tailalaとも呼ばれます。
ココナッツの甘味と旨味がぎゅっと凝縮されたところに加熱によって香ばしさも加わり、
わたしは、これが大好きなんです。
正直、最初に鍋に入れたココナッツミルクを全部煮詰めたら、ガレンドがもっと採れるのでは?と思ったり。
時間がかかるとしても、わたし的にはその価値がある、笑。
そのまま食べても美味しいし、チリなどと合わせて料理に使っても美味しいです。

それはともかく。

ココナッツオイル Bali_2026

こうしてできたココナッツオイルは、素晴らしくいい香りがします。
でもそれは、香料などでよくある「ココナッツ」の香りとは違います。
もっともっと「美味しそう」な香り。
ナッツの香ばしさもあるし、煮詰めたことで生じるカラメル的な香りもある。
このオイルで揚げたドーナツは、一口でわかるくらいに香り高いのです。
こうして伝統的な手法で作られたココナッツオイルは、バリの料理でには欠かせないもの。
そして、料理だけでなく、スキンケアやヘアケア、時に小さな傷の手当てにも使われます。

ココナッツ1つから採れるオイルは、手のひらサイズのボトルでこのくらい。

ココナッツオイル Bali_2026

ターメリックを入れたので、少し黄色がかっています。

この時は、わたし一人だったのでココナッツも1つだけで作りましたが、
この家族が自分たちように作る時は、10個くらいのココナッツを使い、丸一日を費やすのだそう。
とても時間がかかるのですが、その作業の間はきっととてもいい香りが漂うのだろうなと想像します。

バリの村 Bali_2026

こんなのどかな、バリの村のお家でのひとときでした。


2026/01/10

マナドの食卓④

ペルケデル・ジャントゥン・ピサン Manado_North Sulawesi, 2025

マナドのごはんのお料理レッスン、ベジ編。ガシガシ作って参りましょう。

まずは、マナドごはんの定番、トウモロコシのフリッター。ペルケデル・ジャグン/Perkedel Jagung。

ペルケデル・ジャグン Manado_North Sulawesi, 2025

ペルケデル・ジャグン Manado_North Sulawesi, 2025

スイートコーンを削ぎ落としたところに、ハーブを加えます。
ハーブは、小口切りにしたネギと、少しフレーバーを変えようということで、葉セロリです。

ペルケデル・ジャグン Manado_North Sulawesi, 2025

そこに、市販の揚げ粉を加え、水適量を入れて、味を整えます。
液状は、お玉でとろっと掬えるくらい。

ペルケデル・ジャグン Manado_North Sulawesi, 2025

ペルケデル・ジャグン Manado_North Sulawesi, 2025

ペルケデル・ジャグン Manado_North Sulawesi, 2025

インドネシアのママたちは揚げ物上手。高温でカラッと、狐色にあげます。
トウモロコシの甘味と、ハーブの香り、歯応えのいい衣。
これは、カロリー高いってわかっているけど、でもやっぱり食べずにはいられない、定番中の定番です。

ただ、このママの手順だとハーブとできあいの粉、としかわからなかったですよね。
滞在先のキッチンでは、もうちょっと詳しく聞きました。

同じペルケデルでも、こちらはバナナの花。ジャントゥン・ピサン/Jantung Pisangのペレケデルです。

ペルケデル・ジャントゥン・ピサン Manado_North Sulawesi, 2025

バナナの花は、ガクも花も全部一緒に3〜5mmくらいでザクザクと切り、塩をしてからすすぎます。
これは、アク抜きですね。
すすいで水気を切ったところに、シャロットとニンニクをブレンダーにかけてペーストにしたもの、生卵、
ハーブは刻んだネギと、この時はミントの葉っぱを加え、小麦粉と米粉、水適量で液状を調整します。

ペルケデル・ジャントゥン・ピサン Manado_North Sulawesi, 2025

トウモロコシの時よりはもったりめですね。このへんは、素材と、目指したい揚げあがりに合わせて調整で。

ペルケデル・ジャントゥン・ピサン Manado_North Sulawesi, 2025

ペルケデル・ジャントゥン・ピサン Manado_North Sulawesi, 2025

油で揚げてあるからというのもありますが、バナナの花のアクのえぐみも感じず、美味しい仕上がり。
キャッサバの葉を刻んだものでもできるそうです。

マナドの植物、不思議とアクががそれほど強くない印象。
次の、パパイヤの花も同じく。我が家では3回くらい茹でこぼさないと苦くなってしまうのに、
マナドのはさっと1回下茹でしただけで美味しいんです。
品種の違いなのかもしれませんが、不思議です。

パパイヤの花 Manado_North Sulawesi, 2025

ということで、下茹でしたパパイヤの花。この時合わせたのは、シダの葉でした。
サユール・パク/Sayur Pakuもしくは、サユール・パキス/Sayur Pakisと呼ばれます。

シダの葉 Manado_North Sulawesi, 2025

シダの葉 Manado_North Sulawesi, 2025

シダの葉 Manado_North Sulawesi, 2025

この葉っぱも、下茹でなしで苦味もなく美味しいのです。

シダの葉とパパイヤの花 Manado_North Sulawesi, 2025

ハーブ Manado_North Sulawesi, 2025

シダの葉とパパイヤの花の炒め Manado_North Sulawesi, 2025

入れるハーブは基本のものを全部。パンダン、クマンギ、ネギ、ターメリックの葉、レモングラス、コブミカンの葉。
そこに、刻んだシャロットと、写真には写っていないですが、ざく切りトマトも。
で、ざっと全体を炒め合わせます。味付けは、塩。お好みでチキンスープの粉とか、そいういうものをぱぱっと。

そこで、ママは「やっぱ入れたいな、入れちゃおうかな、入れたほうが美味しいもんね」と言いながら、
豚の皮をバリッとあげたものを放り込みました。

シダの葉とパパイヤの花の炒め Manado_North Sulawesi, 2025

この皮が、野菜から出た水分を程よく吸収し、動物性の旨みにもなって、確かにナイスなアクセント。

ちゃっちゃっとできてしまう一皿。

とにかく、マナドごはんの調理は早いのです。こういうところも、海南華人の影響なのでしょうかね。

宿のキッチンでは、タロ芋とカツオの燻製のスープも作りました。
スップ・ベテ/Sup Bete。ベテはマナドの言葉でタロ芋のことです。

たっぷりの刻みニンニクと、ほぐしたカツオの燻製を炒め、
ニンニクが色づいたら水を足し小さく刻んだタロ芋を。

スップ・ベテ Manado_North Sulawesi, 2025

スップ・ベテ Manado_North Sulawesi, 2025

スップ・ベテ Manado_North Sulawesi, 2025

味は塩で軽く。
これは、美味しくないわけないですよね。想像通りに美味しいです。油はしっかり使うが正解です。

あと、宿のキッチンでは、もう一品、野菜炒めも。

野菜炒め Manado_North Sulawesi, 2025

大慌てで調理してた時に、パッと作られたので記録できなかった。
でも、まあ大体もうわかりますよね。
茄子、ジュウロクササゲ、トウモロコシ。油を吸ってとろっとした茄子とトウモロコシの甘さが最高です。


で、大慌てで作った宿のお昼ご飯です。
動物性タンパク質も、お野菜もバランスのいいプレートではないでしょうか。

習った料理ではないですが、マナドごはんのお野菜編をあとちょっとだけ。

マナド食堂 Manado_North Sulawesi, 2025

パンギ Manado_North Sulawesi, 2025

パンギ Manado_North Sulawesi, 2025

旅の最中に友人が教えてくれた一皿で、
タクシーの運転手さんにこの料理を食べられるところを聞いてたどり着いた食堂でした。
(この食堂が何を食べても美味しいので、その後リピートしました)
パンギ/Pangiと呼ばれるのは、クルワック/Kluwakの葉っぱを細く細く刻んだもの。
クルワックは、スラウェシやジャワなど、インドネシアの地方でスパイスとして使われる大きめのナッツです。
真っ黒い色のスープ、ラヲン/Rawonが特に有名ですね。
その葉っぱを食べる、というのを、わたしはマナドで初めて知りました。(味付けは、マナドの味付けです)
しっかり歯ごたえがある葉っぱが美味しかったです。

それから、金時豆。キドニービーンズ。
この豆は、マナドではブレネボン/Brenebonと呼ばれます。

スップ・ブレネボン Manado_North Sulawesi, 2025

肉料理、特に豚ですが、を出すお店にはたいがいあるのが金時豆のスープ、スップ・ブレネボン/Sup Brenebon。
調理の過程で出た屑肉や、肉の茹で汁などを使ったスープに金時豆を加えたもので、
わたしはこれに目がないのです。
マナドの定食屋では味噌汁的な立ち位置なので、これだけ食べるということはあまりないのですが、
(なんなら、フリーでついてくる)
ジャカルタなどのマナド食堂でも、メニューにあれば頼まずにはいられません。

マナドではオランダの影響を受けた一皿だと言われていますが、
インドネシア東部で豚料理を出す地域では、この金時豆スープは見られる気がします。
どういう波及だったのでしょうね。

ちなみに、マナドには、金時豆をたっぷり入れた冷たいデザート、エス・ブレネボン/Es Brenebonもあり、
これまた素通りができません。

エス・ブレネボン Manado_North Sulawesi, 2025

そして、最後に、マナドを代表するサンバル、ダブ・ダブ/Dabu dabu。

ダブ・ダブ Manado_North Sulawesi, 2025

唐辛子、トマト(赤いのと緑のと)、シャロットを刻み、塩をしたところに熱した油をじゅっとして、
最後に柑橘の果汁を絞ったもの。焼き魚に最高ですよね、美味しくならないわけがない。
これがあってこその、マナドごはんだと思います。

ということで、美味しかったマナドのごはんもこれにて。

調理中 Manado_North Sulawesi, 2025

印象として、マナドのひとたちはとても人懐こく、外からきた人にもオープンでウェルカム。
キッチンで料理を教えてくれたママたちもしかり。
そして、これは、インドネシアどこででも同じことですが、地元の味を愛して、誇っていました。
そういうところが、大好きです。

あー、美味しかった。