石焼調理 Wamena_Papua, 2024 |
パプアに行ってきました。
インドネシア国内旅として最遠を更新。
ほぼ東の端っこ、ジャヤプラ/Jayapuraという街と、内陸のバリエム/Baliem渓谷という高地を訪れました。
パプアというのは、インドネシア東端にあるニューギニア島の西半分を指します。
東半分はパプア・ニューギニアという別の国ですね。
インドネシア側の西半分だけで、日本の国土とほぼ同じだけの面積があり、
首都のジャカルタからジャヤプラは直線距離で約3,780km、
ジャヤプラからバリエム渓谷のワメナ/Wamenaという町まで直線距離で約250kmです。
島の北岸にあるジャヤプラに対し、3〜4,000m級の山々に囲まれたバリエム渓谷は標高2,000m前後の高地。
低地沿岸部の街ジャヤプラから飛行機で飛び立ち、
人の気配が感じられない、見渡す限りの緑の絨毯のような森と蛇行する川を見下ろしながら飛んで行くと、
突然高い山々が現れ、同時に道や集落が見え始めます。
Papua, 2024 |
Papua, 2024 |
Papua, 2024 |
このニューギニア島の高地、世界の農耕起源地のひとつだと言われています。
読んだ本(→☆)によると、1万年前には人為的な森林開墾が始まったと考えられているのだとか。
本の中で示されているのは、パプア・ニューギニアの西部高地の事例ですが、
インドネシア側のパプア高地でもそれは大きく違わないと思われます。
バナナやタロはこの地域から栽培が始まった可能性があるのだそうです。
Wamena_Papua, 2024 |
高地パプアには雨季や乾季というものがなく、通年適度に雨が降り、晴れれば赤道直下の太陽が降り注ぎます。
また斜面を利用した農耕地は水はけもよく、農業向きの環境です。
それは今でも変わらず、ワメナの町を上空から見ると開墾された畑が広がり、町の市場にはみずみずしい野菜が並びます。
市場 Wamena_Papua, 2024 |
市場 Wamena_Papua, 2024 |
市場 Wamena_Papua, 2024 |
葉野菜や芋類が豊富。
パプアは芋食地域なのです。
現在はジャワなど国内の他の地域から米を輸入していますし、米食が増えてきてはいますが、
それでも高地の民の多くは今でも芋を育て、それを主食としています(詳しくは次回に)。
低地のジャヤプラでも、市場にはいろんな種類の芋が並びます。
市場 Jayapura_Papua, 2024 |
ふらっと入った食堂でお米の代わりに芋が選べたり、
ホテルの朝食ビュッフェにも茹でた芋がるあたり、異文化だなあとしみじみ。
ご飯の代わりの芋 Jayapura_Papua, 2024 |
ご飯の代わりの芋 Jayapura_Papua, 2024 |
ただ、沿岸部というのは、国内で移住してきた人たちもたくさん暮らしています。
ジャワはもちろん、スラウェシ南部のマカッサル、北部のマナド、そして東ヌサトゥンガラ地域からの移住者も多いとか。
そういった、他地域の人たちの食文化も混ざっているのが沿岸の街の特徴でもあり、
やはり米食が主流になってきてはいるのでしょうけどね。
そして、パプアの低地の人々は、サゴ澱粉も主食として多用しています。
サゴについては、以前バンガイ諸島の記事でも書いていますが、パプアが原産と言われている植物の澱粉です。
ジャヤプラから3時間ほど移動した森の村を訪れた際に、またサゴの採取など見せてもらってきました。
サゴ澱粉採取 Jayapura_Papua, 2024 |
一方、おかず。
山のパプアも森のパプアも、育ている芋類の葉や森に生えているシダの葉など、葉野菜をたくさん食べます。
タンパク質はというと、沿岸に近い人々は海の魚も川の魚も豊富に捕れ、
森や果樹を植えている畑に入れば、ジネズミの仲間などを捕まえてくることもできます。
また、移住してきたイスラム教徒の影響もあるのでしょうが、豚や鶏だけでなく牛なども食用されています。
市場に並んだ鰹の燻製 Jayapura_Papua, 2024 |
それに対して、高地の人々の場合、基本的に家畜は豚のみ。
ワメナの市場で鶏肉は、空輸されてくる冷凍食材でした。当然、卵も。
今は池で鯉などを養殖して食用にしていますが、少し前までは魚は選択肢になく、
特別な時に食べる豚以外は、森へ狩りに出て捕まえてきた鳥やクスクスなどだけだったそう。
家畜の豚 Wamena_Papua, 2024 |
とにかく、色々ちがいます。
そもそも、普段のわたしたちの生活とちがっているのに加えて、
山々に隔たれ、少し前までは陸路での行き来が非常に困難であった沿岸部と内陸高地です。
そりゃ、ひとくくりにはできないよね、という印象。
パペダ Jayapura_Papua, 2024 |
なので、これからしばらく、パプアの食卓について、見て聞いてしてきたことを、徒然に。
おつきあいください。
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